日頃から運動をおこなっている方も少なくないと思いますが、「膝を使うと痛い」という症状に悩まされている方もおられるのではないでしょうか。一時的な痛みではなく、長い期間痛みが続いているという方はもしかしたらジャンパー膝かもしれません。
ジャンパー膝の名前の由来は「ジャンプをする時」に痛みを感じられるところから来ています。痛みが強くなるとジャンプだけではなく通常の歩行をする際にも痛みを感じるようになり、日常生活にも支障をきたしてしまうかもしれません。
こちらでは東洋医学から見たジャンパー膝の本当の原因と対策法について触れていきますのでぜひご覧ください。
ジャンパー膝の症状
ジャンパー膝とはその名の通り「ジャンプをする」「階段を登る」「深くしゃがむ」といった動作を行う時に膝に痛みを感じる症状です。
運動を日常的におこなう人によく見られ、一時的な症状ではなく慢性的な症状であることから、根本的に解決しなければ痛みからの解放が難しい症状として知られています。
多くの場合は膝のお皿の下あたりにある膝関節周辺を押すと痛みを感じます。軽度であれば歩行には問題ありませんし、押さなければ痛みを感じないため、だいぶ症状が進んでから違和感を感じられる患者様も多くいらっしゃいます。
ジャンパー膝の原因は「不通即痛」
ジャンパー膝には筋肉の収縮が大きく影響していると考えられています。
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と呼ばれる膝のすぐ上の収縮に伴って膝蓋腱(しつがいけん)と呼ばれる膝のすぐ下の腱に強い力が加わることによって痛みが出ます。このような痛みが出たら、西洋医学では以下のような治療をおこなうのが一般的です。
- 膝を極力使わず安静にする
- 炎症が起きている部位を冷却する
- 薬物投与をおこなう
西洋医学ではこのような治療法が用いられ、もちろん一時的には効果を感じられ痛みを和らげることが可能です。しかし、ジャンパー膝は慢性的な症状であるため、一時的に症状が改善しても根本原因から見直さない限りまた繰り返し同じ症状を引き起こすことになります。
その点、東洋医学ではジャンパー膝の原因を「不通即痛(ふつうそくつう)」にあると考えています。
不通即痛とは?
私たちの体には水・血・気の3つの重要な要素が巡っており、これらを体全体に行き渡らせる役割をしているのが「経絡(けいらく)」と呼ばれる通り道です。この経絡と経穴(ツボ)は私たちの体を健康に保ってくれる役割をしている五臓(肝・心・脾・肺・腎)と深く関係があります。
五臓の不調は経絡の滞りという考え方があり、東洋医学では「通らざれば即ち痛む」という教えのもと滞りを解消する施術をおこないます。
西洋医学では現在目に見える症状のみに着目し、他の症状はまた別の病院で診察するというのが一般的ですが、東洋医学では体全体のSOSと向き合い、体に何が起こっているのかを正しく判断します。
根本原因を見つけたうえで最適な施術をおこなうため、再発や副作用などの心配もなく、早く確実に効果を実感できるのが特徴です。
東洋医学を用いたジャンパー膝の施術方法
東洋はり灸院では一人一人の症状やお悩みに合わせた施術をご提案させていただきます。
一般的なジャンパー膝の施術は以下のような流れとなっていますのでご参考ください。
- 現在の状態を確かめるため脈をみたり(脈診)、お腹の状態をみます(腹診)。
- 階段を登ると痛いのか、降りると痛いのか細かな動作についてヒアリング
- 体の他の部分に症状がないかを確認
- 総合的に体の状態をチェックしたうえで最適な鍼灸施術のご提案
ジャンパー膝にお悩みの方の多くが膝以外のところで睡眠の質や食欲、便通などに不快感を感じておられます。そういったご相談の症状とは関係ない症状であっても、原因と症状を正しく判断するのに重要な材料となります。どんなに些細な症状や不快感であってもご相談くださいね。
当院では主に銀色の鍼と国産のもぐさを一つ一つスタッフが手で捻ったお灸を用いて施術をおこないます。また、症状に応じて銀色の鍼のほかにも鍼自体にパワーがある金、美容系の症状に用いられる細い美容鍼も用いることがあります。
鍼もお灸も人体に優しい素材を使い、皮膚表面から数ミリの刺激であるため痛みや熱さは感じません。経絡の流れを良くすることによってあらゆる症状を根本から改善することができ、健やかな毎日を取り戻せます。
ジャンパー膝を改善して快適な毎日を目指そう
日常的にスポーツをおこなっている方からすれば、「ちょっと使いすぎたかな?」「フォームが悪いのかな?」と軽い気持ちで考える方もいらっしゃるかもしれません。
ジャンパー膝は症状が強くなると思いきってジャンプできない、しゃがめない、全力で走ることが難しくなるかもしれません。このような状況になるとスポーツ選手にとっては致命傷ですし、楽しんでスポーツをおこなうことができずに精神的にもよくありません。
「たかが膝の痛み」と思わずに、どんなに些細なことであっても東洋はり灸院に一度ご相談ください。