東洋医学を用いた治療とは?
当店は東洋医学を扱う鍼灸院ですが、東洋医学がどんなものなのかご存知ない方も少なくありません。実際、当店にいらっしゃるお客様にもよく、「東洋医学の治療ってどんなことをするの?」というご質問をいただきます。
そこで今回は、東洋医学の基本知識と実際にどのような施術をするのかについて、簡単ではありますがお伝えしていきたいと思います。
東洋医学と西洋医学の違いについて
皆さまは「東洋医学」と聞くと、どのようなイメージを持たれるでしょうか?ご来店いただいたお客様にお話を伺うと、「鍼灸=東洋医学」と思っておられる方や、どこに行っても良くならない症状を改善するための「最後の頼みの綱」としてご来店される方もいらっしゃいます。
一般的に西洋医学の治療とは、「お身体のなかの異変が起こっているところに、お薬を使ったり手術をしたりするなど、直接アプローチを行っていく」というものです。それに対して東洋医学の治療は「お身体の不調を内側から根本的に改善させていく」というものになります。
目に見える病変にアプローチするのが西洋医学、目に見えない真の原因に働きかけるのが東洋医学とイメージすれば、わかりやすいかもしれません。
なぜ、東洋医学を用いた治療を行うのか
先ほどの説明だけだと「結局どちらを受けても不調は改善されるのでは?」と感じる方も多いでしょう。しかし、ここには大きな差があり、「根本的に」というところがポイントになってきます。
西洋医学では「痛いところを治す」、東洋医学では「身体の不調を内側から根本的に改善させる」という差があります。別の表現をすれば、大きなボロボロの木があったとして、枝だけを修復するのか、木の幹から修復するのかという違いなのです。
東洋医学を用いた治療の場合はピンポイントな施術のみを行うことは少なく、身体の巡りに働きかけて全身のバランスを整えるので、あらゆる不調が改善する傾向が多くみられます。
もうひとつ大きな違いとしては、「お薬を使うかどうか」という点です。急性的なものであれば、お薬を使うことで一時的に症状が改善されることもあるかもしれません。しかし、慢性的な症状になればなるほど、「お薬から離れられない」という依存状態に陥るリスクが高くなります。
そもそも、お薬を飲むという行為は、身体にとってあまり良いものではありません。お薬は身体の巡りを悪くする、循環を妨げるものという考えが東洋医学では一般的です。身体に本来備わっている能力を抑え込んだり、刺激が強いお薬の場合は薬を飲むことによって胃の粘膜がやられてしまったりというケースも散見されています。
一方、東洋医学ではお薬は使わず、鍼ともぐさを用いてお身体本来の力を取り戻し、その後は病気にかかりにくくしていく施術を行うのがスタンダードな流れです。お薬を使わない分、お身体への負担は徐々に減っていきますし、そのおかげで顔色も明るくなられる方が多くいらっしゃいます。
当店の実際の施術について
当店で行なっている施術は、よくあるマッサージを多用する施術院とは違い、「肩が痛いから肩にだけ鍼灸施術を行う」ということはあまりいたしません。肩が痛かったとしても、まずは手首のあたりで脈を見たり、お腹を触ってお身体のどこに異常が起きているのかを判断したりしながら診断を行います。
この診断が非常に重要で、この時点で真の原因を見極め、ツボの流れを考えて鍼やお灸を施していくのです。そのため、他の治療院から当店へ移って来られた方は「もう終わったの?」、「鍼は置きっぱなしじゃないんですね」と驚かれることもしばしばあります。
さらに、次回ご来店されたときには「実は他にもいくつか不調があったんですけど、それも楽になっててびっくりしました」という喜びの声も多くいただきます。これが、局所的な対処だけでなく、お身体の不調を内側から根本的に改善させるということです。
ひとつ症状があれば、それに伴って必ず関連する症状が現れてきます。イメージとしては木の幹を改善させるので、1本の枝に症状が出ていたとしても他の枝にも効果が波及して改善されると思ってください。つまり全身にアプローチすることで、あらゆる不調を根こそぎ取り払えるのが東洋医学の施術なのです。
東洋医学を用いた治療に関する注意点
今まで東洋医学の良い面ばかりお伝えしてきましたが、東洋医学は「魔法」ではありません。いくら東洋医学を用いた治療で全身の調子を整えても、日常生活で暴飲暴食をしたり乱れた生活習慣を送っていたりしては意味がないのです。
それでも、お身体の不調の改善や後々、病にかかりにくくなるという点では効果は十分にあると思います。
おわりに
東洋医学にも西洋医学にも得意な分野や不得意な分野があります。東洋医学は骨折などの物理的なものには対応しかねますが、慢性的な症状には効果てきめんです。
何年も病院に通っておられる方や、いつまで経っても痛みが続いている方は、ぜひ一度東洋医学専門の鍼灸院をお試しください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。