施術で「お灸をしますね」とお伝えすると「お灸は熱いですか?」と質問されることが多いです。本日はこの質問について解説していきます。
皆さんは、これまでにお灸をしたことがありますか?『お灸』というと『お灸に火をつけて熱そうなことをする』といった流れは想像できると思います。さらに、この『熱そうなこと』を我慢しないといけないといったイメージを持っている方が多いです。【灸を据える(すえる)】という言葉が有名ですが、これはきつく叱られる、懲らしめられるという意味を含んでますので罰を受けるようなことを想定している方もいらっしゃるでしょう。
今日は、そんなお灸のイメージを払拭します!!
熱いお灸は少しだけ
最初にまず答えを言いますと、基本的にお灸はやけどするほど熱くないです。
まずは、お灸にも種類を説明します。お灸には
- 透熱灸
- 打膿灸
- 焼灼灸
- 知熱灸
- 台座灸
- 隔物灸
- 温灸
の大きく分けて7つの種類があります。この中で【灸を据える】で使われるきつく叱られる時に表現されるお灸は②打膿灸と③焼灼灸です。
打膿灸
こちらはやけどを作り、膿(うみ)を出すお灸です。最近ではやっている鍼灸師はほとんどいないでしょう。
焼灼灸
こちらはイボや魚の目の施術で使うことが多く、かさぶたのようにポロっとイボが取れます。当店のあるスタッフは③灼熱灸でイボをとったことがあるようですが、脂汗が出るほど痛かったと言っていました……その後イボはとれたみたいです。
すごく熱いお灸はこの2つです。あとは心地よい温かさのものや少しだけチクッと感じるもの、人によってはほとんど何も感じない人がいるくらいです。
ドラッグストアなどに売っているせんねん灸は⑤台座灸に含まれます。
お灸のつくりとは
お灸はヨモギの葉を乾燥させてもぐさにします。これを三角錐の形にしてツボの上に直接置いて火をつけるものが知熱灸です。お客様が熱を感じたら教えていただいてすぐに取り除きますから、やけどの心配はありません。
せんねん灸は底がシールになっていて土台があり、その上についている筒にもぐさが入っています。肌にお灸が直接触れませんから、知熱灸以上に熱くありません。
透熱灸はツボの上に米粒の半分ほどの大きさの小さなもぐさをのせて、火をつけて消すやり方です。少しチクッと感じるかもしれませんがやけどになることはありません。
お灸の熱さは調整可能
灼熱灸、打膿灸のようなお灸以外は基本的にどのお灸も熱さを調整することができます。敏感な人やお灸が怖い、不安という人は温度の低い優しいところからはじめることが可能です。
例えば東洋はり灸整骨院ではお灸の施術は温かい、気持ちいいと感じていただくことを目的としていますから、施術の際には熱くないようにします。鍼灸院によっても違うと思いますので、お灸に興味のある方はお近くの東洋医学専門の鍼灸院をお尋ねください。