年々最高気温が更新され、強い日差しを感じる日が増えています。特に夏になると肌をジリジリと焦がすような日差しが降り注ぎ、気がつくと日焼けをしていた、なんてことも。
日焼け止めや帽子、日傘などの対策グッズも多く出回っていますが、普段の生活をしている中で、日差しから肌を守りぬくことはなかなか難しいことです。日焼け対策をしつつ、日焼けに負けない体を作っていくことが、快適に過ごすためのカギとなるのです。
日焼けとは?
日焼けと聞いても、実際にどのようにして起こるのかを理解している人は少ないでしょう。
実は、日焼けには2つの段階があります。
1.皮膚が赤くなる段階
紫外線が皮膚細胞のDNAに影響を及ぼすとDNAの修復がうまくできなくなり、この傷を取り除こうとして皮膚細胞を作ろうとします(ヌクレオチド除去修復能)。
この紫外線による傷害が皮膚の細胞膜から細胞内に伝わり炎症反応がおき、痛みとともに赤く腫れ上がります。これが皮膚を赤くするメカニズムです。その後、一週間ほどで死んだ皮膚が剥がれ落ちます。
2.皮膚が黒くなる段階
色が黒くなるサンタンも、その一連の炎症反応の過程でメラニン色素を作る色素細胞のメラノサイトが刺激され、メラニンを大量に作ることで引きおこります。紫外線をたくさん吸収してしまうため皮膚が黒くなるのです。
このように、身近な日焼けですが、実は皮膚の傷害ともいえるのです。
紫外線の影響
紫外線は、
- 皮膚が赤く痛くなる
- 黒く焼ける
- 免疫が抑制される
- シミ・しわ・良性腫瘍
など、さまざまな影響を及ぼす原因とされています。
過度に紫外線を浴びてしまうことで、
- 皮膚がん
- 良性腫瘍
- 光線過敏症
- 白内障
- 翼状片
- 膠原病の悪化
など、病気へとつながるリスクもあるのです。
紫外線のメリット
こう聞くと、紫外線は病を引き起こす元凶と思われがちですが、実は体にいいこともたくさんあるのをご存知でしょうか。
ビタミンDの生合成によって、
- アレルギー抑制作用
- うつ抑制
- 基礎代謝をあげる
- 成人病・高血圧・糖尿病・心疾患・認知症の予防につながる
- 免疫抑制の作用で乾癬やアトピーなどの皮膚疾患が改善
- 幸せホルモンであるセロトニンの分泌
など、メリットもたくさん。
要するに、日光に当たらずにずっと室内にいるのが体に良くないケースもあるのです。
紫外線とうまく付き合う
紫外線は悪影響をもたらす面が目立ちますが、体にとって良い側面も多く存在します。太陽の下でアクティビティを楽しむことは、心と体のリフレッシュにつながります。紫外線との適切な付き合いが必要なのです。
まず、不必要な日光浴は避けましょう。特に小児期の過度な日焼けは避け、子供たちが適切な紫外線対策をするように心がけてください。
「日焼け=夏」といったイメージがありますが、雪山でも日焼けは起こります。山は空気の層が薄く平地より紫外線が強いので日焼けしやすのです。特に春スキーは照り返しによる日焼けに注意が必要です。
そして外出時には
- 日傘
- 帽子
- アームカバー
- 長袖・
- 長ズボン
などを使って、紫外線を浴びる面積をできるだけ減らすことを意識しましょう。もちろん日焼け止めも忘れずに。
特に首や耳、鎖骨付近は露出が多いのに塗り忘れることが多く、簡単に日に焼けてしまいます。念入りに塗ってから外出しましょう。
東洋医学による施術
東洋医学的では、紫外線は外因的要素である六淫と呼ばれる自然界の気候変化の影響であると考えられています。人が備え持っているエネルギーが減少したところに六淫が加わり日焼けが発症すると考えます。そのため六淫から身体を守るためにも、日焼け止めや日傘を使って対策をし、鍼灸で肌を強くしておく必要があります。
鍼灸は身体を取り巻く様々なものに対応できるため、事前に鍼灸を受けてバリアを強くしておくことをおすすめします。また東洋医学を用いた鍼灸では、皮膚に関連するものを対象としながら、身体の他の症状にも同時にアプローチができるため、体質改善につながっていきます。
おわりに
日焼けは誰もが経験することですが、注意を怠ると病気の原因となる危険が潜んでいます。紫外線は体にとって悪影響を及ぼす可能性がある一方、多くの利点も持っています。適切な対策を講じつつ、紫外線とのバランスを取りながら、健康的で快適な生活を送りましょう。
日焼けや身体の不調に不安を感じる場合は、東洋医学の専門家に相談してみることをお勧めします。