
東洋はり灸院 統括院長の石丸です。
今回はYouTubeの視聴者の方からご質問をいただきましたので、その質問に対する回答をしていきたいと思います。
質問内容
乾癬で5年ほど悩んでいます。ステロイド剤を塗れば一時的に良くなりますが、また再発をくり返しています。日光に当たると良いとのことですが、あまり効果は感じられません。東洋医学的にどうして発症するのか、原因などがわかれば知りたいです。また、鍼灸では改善しますでしょうか?
動画解説「長引く慢性乾癬について」
皮膚は体のゴミ捨て場
乾癬は症状が目に見えるため、皮膚科・西洋医学では直接ステロイド剤を塗ることや日光浴が勧められます。しかし、今回の質問者様は、ステロイド剤でおさえても再発してしまい、困っておられるとのことです。
東洋医学では、皮膚症状の基本的な考え方として「皮膚は体のゴミ捨て場」というものがあります。体の中にたまった不要なものが、行き場をなくして皮膚にあらわれると考えられているのです。
つまり、皮膚症状は体の中の不調の現れとされ、薬を塗っておさえてもすぐに再発しやすく、日光に当てても改善につがなるとは限りません。体の中を整えなければ、皮膚症状は改善しないのです。
食生活の改善と五臓六腑の強化
質問者様の状態は、実際にお会いしてみなければ詳しいことはわかりませんが、食生活の改善が必要だと考えられます。皮膚症状の多くは、食事を見直さなければ改善しません。
不要なものを入れないようにするために食生活を改善し、鍼灸では五臓六腑を強化することが重要だと思います。
なぜ五臓六腑の強化なのかというと、東洋医学では肺と皮膚はつながっていると考えられているからです。肺と皮膚はどちらも空気に触れるため、呼吸器系を高めることで皮膚症状の改善が図れるのです。
また、西洋医学の肝臓・腎臓とは概念が異なるものの、東洋医学では肝と腎を高めることも効果的だと考えられています。肝は体の血を、腎は体の水をきれいにします。体内の血と水がきれいになると体内はかなりきれいになるため、皮膚症状も改善されるのです。
質問文だけでは断定できませんが、おそらく呼吸器系や肝、腎を強化し、浄化能力と皮膚の能力を高めて、不要なものを取り入れないように食事に留意することで、皮膚症状は改善すると思います。
また、皮膚症状は改善に時間がかかるケースも多いため、漢方の服用も視野に入れて取り組むと良いでしょう。
根本改善のために!
今回のご質問に関して、私が断言できることは、皮膚科だけで治るケースは多くないという点です。質問者様は5年もの間、乾癬に悩まれているそうですが、長期間にわたってステロイド剤を塗り続けることは体への負担にもなります。
皮膚症状の根本的な改善を目指すのであれば、食生活の改善と鍼灸、漢方を強くオススメします。
ご質問いただき、ありがとうございました。