- 「昼も夜もトイレが近くて辛い」
- 「さっきトイレに行ったばかりなのにすぐに行きたくなる」
- 「おしっこをしていると尿道が痛い」
と膀胱炎でお困りの方がいらっしゃいます。
病院へ行き、長期間薬を服用しても一向に改善されない方も少なくないでしょう。ですが、病院でよくならなかった症状や原因不明と言われたものでも、東洋医学による鍼灸施術でよくなるケースもございます。
今回は、菌がいないのに膀胱炎の症状がでる無菌性膀胱炎についてお話させていただきます。
通常の膀胱炎については「繰り返す膀胱炎でお悩みの方へ」をご覧ください。
無菌性膀胱炎とは
膀胱炎というとほとんどが大腸菌が膀胱に侵入して起きるといわれています。仕事の大事な場面で行きたくなったり、周りにも気をつかったりと日常生活にも支障をきたす辛い症状です。
しかし、特に菌が見当たらない人もいます。これが無菌性膀胱炎(非細菌性膀胱炎・間質性膀胱炎)です。
西洋医学(病院)の治療
膀胱炎の症状を感じた場合、まず病院で尿検査を行う方が多いと思います。ひどい方は真っ赤な尿が出る方もいますし、「尿の色には変化はないけれど潜血が見られますね」と尿の色が変わらない程度の血液が混ざっている場合もあります。
病院で膀胱炎と診断を受けると菌がなくても、とりあえず抗生物質が処方されます。風邪をひいて抗生物質を処方されることは少なくなってきましたが、膀胱炎の症状が出ていると基本的に処方されると思います。ですが、菌がいないのに抗生剤を服用することで体に必要な菌も殺してしまうのです。
膀胱なのに肺で施術する東洋医学
東洋医学で膀胱炎を施術する場合「肺のツボ」が元気になるように施術していきます。「肺のツボ」と書きましたが、肺以外にも【肝】【心】【脾】【腎】のツボがあります。ここからは、それらのツボのグループについて説明します。
ツボのグループ(五臓)
- 肝臓
- 心臓
- 脾臓
- 肺
- 腎臓
わたしたち鍼灸師が扱うツボは体中に361個あり、それらが上記の5つのグループに分かれます。上記は陰陽で言うと「陰」のグループになります。陰があればもちろん「陽」のグループもあります。
- 胆
- 小腸
- 胃
- 大腸
- 膀胱
という5つのグループです。陰のグループと陽のグループは裏表の関係で、切っても切れない関係です。
「⑤膀胱があるので膀胱炎といえばこれじゃないの?」と思われがちですが、④肺・大腸で施術していきます。菌が入っている場合は⑤腎・膀胱を使うこともありますが、無菌性の場合は体の元気が重要になりますので「気」と関係のある④肺・大腸を使います。
肺のツボで膀胱炎をどうするの?
東洋医学では肺のツボは「気」に関係してきます。わたしたちの体は気が24時間365日循環することで、運動したりお腹がすいたり眠気がきたりと日々当たり前の生命活動が行われます。どこかで気の流れが滞ったり足りなくなると調子が悪くなります。頭痛や肩こり、腰痛、不眠、花粉症など体に出る不調の大半は気のめぐりが悪くなっておこるのです。
肺のツボが弱くなると運動器では肩が痛くなったり、寝違えたり、ギックリ腰になる方もいらっしゃいます。内臓では風邪による呼吸器の不調、胃腸の弱りなども起きることが考えられていて・・・気が足りないのでどこでどんな不調が起こっていてもおかしくはありません。そこで膀胱の気の流れが悪いから起こると考え、まず肺のツボを元気にして全身に気が行きわたるようにします。状態によっては胃腸の機能が落ちていて気を作ることができなくなっていることもありますので、その場合は胃腸にもアプローチします。
肺のツボ以外にも
肺のツボ以外にも下腹部にある気海(きかい)、気衝(きしょう)、腰にある上りょう(じょうりょう)、次りょう(じりょう)辺りをお灸で温めます。
ご自宅ではカイロや電気毛布でも構わないのですが、恥骨に近い下腹部を温めてもらいます。ポイントは汗が出ない程度に温めることです。汗をかいてしまうと気が漏れやすく、反対に悪化してしまうことも考えられます。ですので、汗はかかないようにお願いしています。
【動画解説】膀胱炎について
膀胱炎をスッキリ改善して快適な毎日を!
膀胱炎の症状が改善すると、トイレのことを気にせず日常生活も快適に過ごせるようになります。トイレに行く時間、トイレを探す時間や待ち時間も少なくなり、ストレスも減り、笑顔が増えてくるでしょう。
繰り返す膀胱炎でお悩みの方は、一度東洋医学専門の鍼灸院へご相談いただけたら嬉しく思います。最後までお読みくださりありがとうございました。