腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)は別名「ランナー膝」とも呼ばれる膝の症状です。ランナー膝と呼ばれる理由としては、ランニングやウォーキングをはじめ膝をよく使うスポーツ選手に多い症状であるからと言われています。
ランナー膝は特に男性に多く見られる傾向があり、膝を曲げたり伸ばしたりする動作を繰り返しおこなうことで膝の外側に痛みが生じます。ハードなランニングなどをおこなうと症状が出やすいですが、フォームを改善したり、筋力を強化することによって症状が抑えられることもあります。
こちらではランナー膝を東洋医学の観点からみた場合、何が原因なのか、どんな施術が有効なのかご紹介していきます。ランナー膝に悩んで思うようにスポーツができないとお困りの方はぜひご覧ください。
ランナー膝の症状
ランナー膝とは腸脛靭帯炎と呼ばれる膝の症状であり、主にランニングやウォーキングといったスポーツをよくされる方に見られることが多いです。膝を曲げたり伸ばしたりする屈伸運動を繰り返すことによって腸脛靭帯と呼ばれる靭帯が大腿骨(太ももの骨)とこすれることにより炎症を起こし、膝の外側に痛みを感じます。
ランナー膝はオーバーユースやオーバートレーニングなどによって引き起こされることが多いため、「使いすぎ症候群」という名前で呼ばれることもあります。
また、次の症状も総称してランナー膝と呼ばれます。
- 変形性膝関節症
- 腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)炎
- オスグッド・シュラッター病
- 膝蓋腱(しつがいけん)炎」「鵞足(がそく)炎
ランナー膝の患者は特に男性に多く、陸上競技者の場合、トラックのカーブで負荷がかかることによってランナー膝を引き起こしやすくなります。
腸脛靭帯とは?
ランナー膝と深い関係がある腸脛靭帯について少し説明しましょう。
腸脛靭帯とはおしりの筋肉からすねの骨の前外側にある膨らみまでを指します。膝を伸ばしている時に大腿骨の外側の出っ張りの前にありますが、膝を曲げることによって後ろに移動し、出っ張り部分と摩擦がおこります。この摩擦が膝の曲げ伸ばしによって炎症となり、膝に痛みをもたらします。
ランナー膝の原因は「肝」の機能低下
ランナー膝の主な原因は以下のように考えられています。
- 長時間のランニングやジャンプ動作
- ストレッチ不足による柔軟性の低下
- 骨の成長と筋肉の柔軟性のアンバランス
- 大腿四頭筋(ももの前)とハムストリングス(ももの後ろ)、殿部の筋肉のアンバランス
- クッション性がない靴や自分の足に合っていない靴での運動
- 足に負担のかかる練習場
- O脚
- おしりの筋力不足
- 回内足(かかとが外側に傾く状態)
- 捻挫経験がある
基本的には膝を使いすぎることによって症状が出るランナー膝ですが、練習場の状態や靴の質など外的な要因が影響することもあります。ランナー膝の初期の症状は屈伸運動の時だけに痛みを感じますが、症状がひどくなると安静時にも痛みを感じるようになってしまうため、早く痛みを和らげる対策を取らなくてはなりません。
一方、東洋医学ではランナー膝の原因を肝の機能が低下していることにあると考えています。
私たちの体には気・血・水という三つの重要な要素が巡っていますが、「肝」はこの中の血の巡りに深くかかわっています。
ランナー膝のような筋肉が関係する症状は血の巡りが悪くなることによって起こると認識されており、肝の機能が低下すると自然と症状が引き起こされやすくなります。
ランナー膝の予防法
ランナー膝になってしまった際には外科的な治療や内服薬によって改善を試みることが多いですが、発症しないように日頃から予防することが大切です。
自宅でできる予防法を3つご紹介しますので、ぜひお試しください。
- ストレッチボール
- おしりの筋力トレーニング
- ストレッチ
ストレッチや脚に負担がかからないように筋力をUPすることで炎症が起こりづらい状況を作り出すことができますので、普段から定期的におこなうのがおすすめです。
東洋はり灸院が選ばれる理由
当院では東洋医学を用いた鍼灸施術をおこないます。こちらでは東洋はり灸院がなぜ多くの患者様に選ばれているのか4つのポイントをご紹介します。
- 4000年以上の歴史を有する東洋医学の知識と実績を用いているから
- 四診法(望診・聞診・切診・問診)を用いて体の状態を正しく理解するから
- 伝統的な鍼灸技術で改善率90%を誇るから
- 痛みや熱さはなくお子様でも受けていただけるから
東洋医学では目に見えている症状だけではなく、本当の原因を探るために体全体の状態をしっかりと確認します。そして一人一人に合った施術をおこない、根本から症状を改善できるよう導きます。
ランナー膝を改善して快適な毎日を目指そう
主にスポーツをおこなう方によく見られるランナー膝ですが、放っておくと痛みが強くなりスポーツを行うことが難しくなったり、安静時にも痛みを感じるようになってしまいます。
ランナー膝の原因は肝の機能低下であるため、体全体の機能を高められる鍼灸施術が効果的です。
陽陵泉(ようりょうせん)や風市(ふうし)、中瀆(ちゅうとく)などランナー膝に効果のあるツボを中心に、お体に合った施術をご提案させていただきますのでぜひご相談ください。