鍼灸に来てくださった方の中には、「勇気を振り絞って来ました(泣)」と言う方がいます。確かに、誰も好き好んで痛い思いはしたくないですよね。そして“はりを刺す”というと家庭科の授業で使う縫い針や注射の針にしか馴染みがないため、「鍼灸なんて行った日にはどれだけ痛い思いをさせられるのだろうか…」と思いますよね。
今日はそんな痛そうな鍼(はり)のイメージを払拭します!!
鍼灸院の方針で異なる「鍼の痛み」
結論からいえば、施術する鍼灸院の方針によって「痛い鍼」と「痛くない鍼」があります。痛みがなければ効果がないと考える鍼灸院では、痛みを出すことを目的として鍼を打つため当然痛いです。
東洋はり灸整骨院を含め、「鍼に痛みは必要ない」という方針の鍼灸院もあります。
鍼灸施術は体の中の気の流れを整えることを目的としています。痛みを与えることは目的ではありませんから、こうした鍼灸院の場合は鍼を打っても痛くありませんし深く刺さないのです。
気の流れを整えるのに大きな鍼穴はいらない
我々のように気の流れを重視して施術する鍼灸師は、刺した鍼の穴 鍼孔(しんこう)についても気にします。
毛穴よりも細い鍼を使うので、鍼の穴といっても見えるわけではありません。それでも体に穴を開けることには変わりないので、開けた鍼の穴から気が漏れると考えています。ですので、施術の際には気を漏らさないように、鍼を抜いたら抜くのと同時に鍼の穴を素早く閉じる練習をします。
反対に開けておくこともありますが、その使い分けは皆さんのお悩みの症状や体質によって変わってきます。
ここまで繊細な考え方ですので、「極力鍼の穴は小さく・少なく」が東洋はり灸整骨院の鍼灸施術です。
刺さない鍼の効果について
先日来られた方は初めて鍼を受けるということで非常に緊張されてました。痛いかどうかを聞かれたので、全く痛みはないことと、もしも痛みがでる場合は調整することも可能とお伝えしたうえで施術をしたました。施術後は「思っていたほど痛くなかった」とおっしゃいました。99%の方はこういった感想を持たれる気がしますね。
また、完全に刺さずに鍼をすることも可能です。片側が丸みを帯びていて、反対側は尖っている“てい鍼”という刺さない鍼があります。
こちらを使用して、経絡というツボの道をなぞったり、ツボに鍼を当てることで気の流れを整えます。
過去に「怖いから、鍼を刺さずに施術をしてほしい」という方がいましたので、このてい鍼で施術をしました。それでもしっかりと効果はあり、症状は改善されました。これは痛みを与える施術をしなくても効果は出せるといういい実例ではないでしょうか。
「鍼が痛いかもしれない」と不安に思われている方も、お近くの鍼灸院にご相談いただければ、痛みのない施術が受けられると思います。