ようやく秋らしい気候になってきましたが、暦の上では2020年の秋の土用(どよう)になりました。実はもう秋はおしまいで、ここから3週間は冬への移行期間です。それでも気候的にはまだまだ秋ですので「肺」にまつわる症状が現れやすく気が下がっている人を多く見かけます。
そこで、今日は東洋医学での肺の考え方について書いていきますね。
肺からのSOS
肺の元気がないと、こんな症状が現れます。
肌寒い
肺は体表面を温めてくれます。
「ちょっと寒い」「1枚羽織ろうかな?」そんな肌寒さは外気温に対し、肺の機能が追い付かない状態です。もちろん冬に半袖なんて方は少ないので、ある程度は寒さに負けてしまいます。また人によって寒さに対する感度が違うのは、肺の機能の差もあると考えています。
鼻水
肺の機能が弱ると鼻水が出やすくなります。秋にアレルギー症状が増えるのは肺が弱るからという理由もあります。
胸の苦しさ
気が足りなくて胸が苦しくなる方も多いです。胸の真ん中にある膻中(だんちゅう)というツボを温めると和らぎます。
乾燥
肺は噴水のように体内でお水を撒いてくれています。この機能が弱いと皮膚の潤いがなくなりシワが増えたり、乾燥によって痒みが起きます。髪の毛もパサパサになります。
粘膜も乾燥しやすくなるので喉を痛めやすくなります。外気が乾燥していてご自身でも潤せないと肺にとってはダメージが大きく、そのまま風邪をひくことになることも多いです。
悲しみ
肺が弱ると悲しみやすくなり、悲しんでばかりいると肺は弱っていきます。秋に気分が落ちてしまう方は肺の気が下がっているのかもしれません。
肺は呼吸とも関りがあるので、悲しみすぎると動悸がおきたり呼吸が浅くなったりします。
肺を元気にする3つの方法
続けて、肺を元気にする方法についてご紹介します。
①呼吸
体の外から清らかな空気を取り入れ、体内の濁った空気を外に出す役割があります。これは西洋医学でも同じように考えられているため、しっくりくる方も多いかもしれませんね。
吐ききってから吸う
濁った空気が残っていては清らかな空気は入ってきません。一旦、思いっきり吐ききってから新しい空気を取り入れてください。
②お灸
肺は気を補うのが向いています。お灸は温かく優しい刺激で元気を補ってくれます。
頚の後ろの大椎(だいつい)、風門(ふうもん)や腕の孔最(こうさい)が向いています。ツボが分からなくても冷たく感じるところやコリが酷いところに直接お灸をしてもいいと思います。
③蓮根
肺を元気にしてくれる食べ物と言えば蓮根(れんこん)です。毎日蓮根を食べるのはなかなか大変ですので、粉末状の蓮根をお勧めしてます。粉末ですので毎日何かに混ぜて食べることができます。咳が出やすい方が続けることで出なくなったという話も聞きます。
とはいえ、粉末でも蓮根なので何に混ぜるかは難しいところですが。
終わりに
ここまで読んでくださいましてありがとうございます。
寒くなると気血のめぐりが下がり調子が悪くなる方がたくさんいらっしゃいます。上記のように気分の落ち込みもありますので、体を休めればいいという問題でもありません。
心当たりのある方は、東洋医学専門の鍼灸院へ一度相談してみてください。