今回は、肺タイプの肩こりに効くツボについてお話しします。
肩こりの症状が出るのは五臓のバランスが崩れたから
東洋医学では、人の身体を五臓(肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓)の状態を見て判断します。
五臓はもともとつながっていてバランスを保ちあっています。五臓のバランスが崩れてしまうと、さまざまな症状が出てしまうことに。肩こりの症状が出るのも、五臓のいずれかのバランスが崩れている結果であり、どの臓器の調子が悪いかで症状も用いるツボも異なるのです。
肺タイプの肩こりとは
肩こりを訴える方にもさまざまなタイプがあり、肩がカチカチに硬くなっている人がいる一方で、さわっても全く硬さを感じない人もおられます。
マッサージや整体ではたいてい「凝っていますね」と言われますが、実は必ずしもそうではありません。張りがなくてふにゃっとしている、元気がないタイプの肩こりもあるのです。これは、肺の機能が下がっていることで引き起こされる、肺タイプの肩こりの症状です。
肺タイプの肩こりの特徴
肺タイプの肩こりに悩んでいるのは、人と会うことで気疲れしたり、気配りしすぎて首や肩が辛くなるという人です。また、皮膚がザラザラしていたり、乾燥している人も多くおられます。これは、心と身体がつながっているから。
精神的な状態は身体の状態に多大な影響を与えます。気疲れやこまやかな気配り、心配事などが、肩こりとなって表れているのです。
また、肺タイプの肩こりである以上、喘息などの呼吸系の症状をお持ちの人もこのタイプの肩こりになりやすい傾向があります。
施術に用いるツボ
こうした肺タイプの肩こりによく効くツボは、合谷(ごうこく)と列欠(れっけつ)です。
古来より首・肩の症状によく用いられていますが、当店では、合谷には鍼を列欠にはお灸を用いて施術しています。
一人ひとり心身の状態を総合的に判断
お客さまからよく「肩こりのツボはどこですか」とのお尋ねがありますが、その方の症状や肩こりのタイプを見極めなければ、どのツボが効くかがわかりません。体調の変化や環境の変化で肩こりのタイプが変動することもあります。
その方の状態をしっかり見て、聞き、総合的に判断することで、用いるツボを選択する。これが、東洋医学における方法です。
肩こりの症状にお悩みの方は、ぜひお近くにある東洋医学専門の鍼灸院にご相談ください。