当店にもさまざまな症状でお悩みの方が来られますが、よく次のようなお問い合わせをいただきます。
- 「こんな症状も対応していますか」
- 「こういった状態ですが、鍼をしても大丈夫ですか」
その中に肋間神経痛について聞かれることもあります。もちろん鍼灸も有効ですので、本記事で解説したいと思います。
肋間神経痛とは
まず肋間神経痛ですが、肋骨と肋骨の間に神経が走っていて、そこの神経痛になります。
肋間神経には次の2つのタイプがあります。
- 原発性の肋間神経痛
- 続発性の肋間神経痛
みなさん肋間神経痛になったら病院へ行かれると思いますが、このどちらかを言われると思います。
①原発性の肋間神経痛
原発性というのは「原因不明」のことです。
- 「画像診断上、何の異常もないですよ」
- 「心因性、ストレスじゃないですか」
- 「感情の起伏の変化が出ているのでは、わからないですね」
といった感じです。
②続発性の肋間神経痛
そして続発性は帯状疱疹(たいじょうほうしん)などになり発症し、その後肋間神経痛になるということです。あとは物理的に末梢神経を損傷して、肋間神経痛が出るという場合も続発性になります。
- よくわからない場合が原発性
- 明らかにこの病気によって出ているのが続発性
ということですね。
左右両方に痛みが現れることは稀で、片方に出やすいと言われています。また、咳やくしゃみで症状が増悪します。
肋間神経痛は鍼灸で改善!
もともと鍼灸はこのような原因不明のものが得意です。帯状疱疹なども体の機能が落ちた時に出る症状なので、鍼灸で体の機能を上げるという面でも、比較的得意な症状だと考えます。
鍼灸での治し方
治し方としては、痛みが出ている肋骨の高さにある背骨の両脇の緊張を取ります。(肋骨は背骨から伸びています)
一般の方だと少しイメージしにくいと思いますが、背骨の横の際のツボという感じでしょうか。そのツボの緊張を取り除く施術を行っていきます。
いつもは五臓(肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓)と言ってますが、肋間神経痛の場合は「肋間神経痛=このツボ」というよりも、その人の体の他の症状を見て、聞いて、脈を見て、全体的に体の機能を上げる施術をしながら背骨の周りの緊張を取っていきます。
肋間神経痛は2パターンに分かれますが、どちらも体の機能が落ちている状態です。虚実で言えば虚証ですよね。ですので補法を中心にやっていくのと背骨の周りの緊張を取ることが有効です。証はその人の全体の症状を聞いて、実際に脈を見て、体の状態を見て決めます。
自宅でできるセルフケア
家でできることとしては、体を温めることです。
体の機能が落ちているので温める力も落ちています。もともと冷え性の方もいらっしゃると思います。やはり冷えは肋間神経痛を悪化させます。ですので、薄着でエアコンや扇風機の風に当たるようなことはなるべく避けましょう。
お風呂はシャワーで済ませずお湯につかって体の芯まで温めるといいですね。
おわりに
鍼灸は肩こりや腰痛のイメージが強いと思いますが、このような目に見えない症状や原因不明の症状も得意としています。
- 肋間神経痛に悩んでいる方
- どこへ行ってもなかなか治らない方
ぜひ一度、お近くの東洋医学専門の鍼灸院に相談していただければと思います。