本日は、「ツボは押した方がいいのか」についてお答えします。
ツボは押さない方がいい
施術をしていると「そこは何のツボですか」と聞かれることがあります。例えば「眼精疲労のツボです。」と答えると「じゃあ目が疲れた時やかすむ時はここを押した方がいいですか」というようにツボ押しをした方がいいかどうか、という質問が出てくることが多いです。
結論からいえば押さない方がいいことが多いです。私たちの鍼灸の考え方には「加圧は瀉法につながる」という言葉があります。加圧というのは押す行為、瀉法とは抜くという意味ですから、押すことは抜くことにつながるということです。
(※何を抜くのかと言うと、体から気を抜くと言うことです。)
抜いてはいけない理由
東洋医学では症状が出るのは、多いか少ないか、つまり何かが過剰になったか、不足してしまったことが原因だと考えます。(何かとは・・・気・血・水のどれかです)
10がちょうどいいとすると、例えば眼精疲労は目を使いすぎて症状が出ているわけですから不足して8になっていることが原因だと考えます。8を10に持っていくためには当然2を足す、補わなければいけません。補うというのは元気にするという意味です。さっきほど説明したように、押すと抜いてしまいますから使いすぎて症状が出ている場合には基本的には逆効果です。
足がひどくほてって仕方がない、足がとにかく熱くて眠れないというようにエネルギーが過剰になってしまって症状がでているときには押して抜くといいと思います。しかし、私が今まで見てきた患者さんたちは皆さん基本的に元気が足りなくて症状が出ていることが大多数ですから、ぐいぐい押すような行為はお勧めしません。
ツボを押さずにどうする?
まず1番のお勧めは『温める』ということでお灸です。最近ではドラッグストアでも自宅でできるお灸が売っていますので、それをツボに乗せて温めます。
お灸は火を使うので怖いという方には、玄米カイロや小豆のカイロをレンジで温めてツボにあてるのもいいと思います。他にもドライヤーで簡易的に温めるという方法もありまして、「風邪ひきそうだな・・・」と思ったときに首の後ろをババーっとドライヤーで温めて風邪を予防するという方法もあります。冬場に使うカイロは、熱すぎて当てている部分が汗ばんでしまうと冷えてしまうので、当てすぎなければいいと思います。
温める以外では、金属のスプーンを使って皮膚を撫でる方法があります。これは撫でる向きなどがありますので是非鍼灸師に相談していただいてから試していただきたいです。
おわりに
ご自身の症状が
- ツボを押していいものかどうか?
- 温めたほうがいいのかどうか?
という判断は、お近くの東洋医学専門の鍼灸院で聞かれるといいかと思います。