スマホやパソコン、テレビの視聴など、わたしたちの日常で「目」を使わない日はないと思います。さらに暗い部屋でスマホを見たり、学校で授業に集中したり、仕事でパソコン作業を続けたりと、習慣的に目を酷使している人も少なくありません。
ある調査によると、目の疲れを感じたことがある人は8割を超えるといわれています。実は目の疲れである眼精疲労は、五臓の影響を大きく受けているというのが東洋医学の考えです。そこで今回は、目の疲れについて東洋医学の視点から詳しくお話ししていきます。
東洋医学から見た「目」
東洋医学では五臓(肝・心・肺・脾・腎)が相互に関わり合いながらバランスを保つことで、健康を維持していると考えます。つまり、目の不調の根本原因は、五臓の不調にあるのです。
目の働きは、肝臓のグループに当たります。「肝の華は目」という言葉があるくらい、目と肝臓は関係性が深いものです。そのため、肝の働きが落ちていると目に不調が起こったり、目を酷使すると肝の働きが落ちたりするといわれています。つまり、肝の働きを上げることが、目の疲れの解消につながるのです。
肝の主な働き
肝は簡単にいうと、身体のすみずみまでエネルギーを行き渡らせる、モーターのような働きがあります。血を浄化する作用もあるため、肝臓に送られた血液はクリーニングされ、キレイな状態となって身体に送り出されます。
肝の調子が悪くなる要因
肝の働きが低下するのは、これらの生活習慣が大きく影響しています。
- 怒りなどのストレス
- 血を汚す食べ物
- 夜寝るのが遅い
- 運動不足
精神的なストレスや日々の不摂生により、肝臓の負担が増えることが肝の働きの低下につながります。そのため、まずは生活習慣を改善することが対処法として有効です。
目の疲れに効くオススメの対処法
ホットアイマスク
蒸しタオルやお湯に浸して絞ったタオルをまぶたの上にのせ、目を温めましょう。
質の良い睡眠
夜中の1〜3時は、血をクリーニングする働きが最もさかんになります。この時間に熟睡していることが、血を綺麗にするために重要です。もし不眠症などで眠れない場合でも、ベッドで横になって目をつぶり、安静にしているだけでも身体が休まります。
適度な運動
運動といっても、身体に負荷をかけるような極端なものは避けましょう。気持ちよく汗を流せるくらいの運動を心がけてください。運動の内容は、ご自身の好きなものに取り組んでいただければ良いと思います。おすすめはヨガや早朝のウォーキング、または軽めのランニングです。
栄養バランスのとれた食事
肝の不調の際、ぜひ取り入れてほしい食品は梅干しや酢の物です。古来より酸味は、肝を養うといわれているため、酸味のあるものを摂るといいでしょう。
また、血液を汚す食べ物として
- 食品添加物
- 化学調味料
- 白砂糖
が挙げられます。こちらはできるだけ避けるようにしてください。
目の疲れのタイプ別に見るオススメのお灸のツボ
目の疲れと一言でいっても、目の痛みや涙が出る眼精疲労や目のかすみを伴う眼精疲労など、タイプはさまざまです。当店での施術は鍼とお灸を使った経絡治療を行いますが、ツボの場所を知っていればご家庭でもセルフケアすることができます。
もぐさを使ったお灸でなくても、市販の貼るタイプのお灸でも効果があるので、ぜひご家庭でもお試しください。ここでは眼精疲労のタイプ別に、5つのオススメのツボをご紹介しています。
涙が出る・目の痛みがある眼精疲労
足臨泣(あしりんきゅう)
足の甲にあり、薬指と小指の骨がぶつかる辺りにあります。
目が重い・ハッキリしない眼精疲労
三間(さんかん)
手の人さし指のつけ根の、手首寄りのところにあります。グーを作って拳の骨が出るところが、三間の目印です。
目が熱っぽい眼精疲労
後渓(こうけい)
手の小指の外側のライン上にあります。グーをつくったら、拳の骨が出てくる出っぱりの辺りが目印です。
かすみ目・目の奥が痛い眼精疲労
束骨(そっこつ)
足の小指の外側にあり、かかとの外側から小指の方向へ指でなぞると、くぼみがあって指が止まるところです。
目がゴロゴロする眼精疲労
陽谷(ようこく)
手の甲の、手首を後ろに曲げたときにできる線上にあります。手首の小指側の骨の出っぱっている少し手前が目印です。
目の疲れは東洋医学のツボで解消!
目の疲れといっても、眼精疲労にはさまざまなタイプがあります。症状により効果的なツボも変わってくるため、まずは自分の目の疲れのタイプをチェックしてみましょう。生活習慣の見直しと合わせて、ぜひお灸もお試しください。東洋はり灸院でも施術を行なっていますので、お近くの方はご来店お待ちしています!